アルキンの反応(付加・酸化等)まとめ[大学有機]

有機化学

今回はアルキンへの反応についてです。水素付加(Lindlar触媒)・ヒドロホウ素化(THF)・シン付加・ケト-エノール互変異性に関する問題を用いて解説します。掲載している問題は東工大物質理工学院H31[1A](2)です。

アルキンの反応(付加・酸化等)まとめ[大学有機]

次に示したアルキンの反応における主生成物ア~エの構造式を示せ。ただし、異性体があるものは、区別できるように示すこと。

□反応物・試薬から生成物を考える
有名な反応や試薬は生成物のみでなく、その試薬や反応機構が問われたり解答が手掛かりとなることもあるため、全体の流れを覚えておくとよい。

アルキンへの水素の付加(ア)

(ア)

通常、Pt,Pd,Niを触媒にすることでアルカンとなる

\(R_1,R_2\):H or アルキル基

ただし、特別に被毒した触媒である’Lindlar触媒’を用いるとシン付加となり、さらに、アルケンとなったところで反応が止まるため、シス型アルケンを得ることが出来る。

本問はこれに相当するため、答えは

ちなみに、液体アンモニアで\(N_a\)がLiを反応させるとトランス型アルケンを得ることが出来る。

アルキンに対するヒドロホウ素化、酸化(イ)

(イ)

ヒドロホウ素化-酸化はアルコールの生成において重要な反応の1つである。

一般例(アルケンに対する反応)

★THFを使用する理由

\(BH_3\)(ボラン)は単体では不安定なため、ジボランの形で存在しており

THFなどのエーテル溶媒に溶解することで

上図のような構造として存在し、これがアルケンに反応するため試薬にTHFなどのエーテル溶媒が用いられることがある。

シン付加・アンチマルコフニコフ則

・立体選択性

  シン付加:同じ方向から付加する。構造式・ニューマン投影式で判断すると

重なり型で付加する。

  アンチ付加:異なる方向から付加する。構造式・ニューマン投影式で判断すると

トランス型で付加する。

・位置選択性

  マルコフニコフ則:原則として、より安定な\(C^+\)を生成する方向に進行する。つまり、R基が多くついている方に\(B^-\)が付加する。

  アンチマルコフニコフ則:マルコフニコフ則と反対の配向性を示す。

ヒドロホウ素化酸化において

\(H-BH_2\)の付加はR基とH基を比較して、より立体障害の小さいアンチマルコフニコフ則に従うため、シン付加となる。

アルキンの酸化

カルボカチオン中間体を経由してないため、酸素骨格の転移は起こらない。

以上の反応をふまえると、今回の反応は、

また、最終の反応はケト-エノール互変異性を考慮している。

ケト-エノール互変異性

本問の解答・解説案は以上です。また、本サイトでは院試やTOEICの勉強方法や面接対策などの記事も掲載しているのでそちらもご覧ください。

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